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日本の木版画傑作集 10人の木版画家による10作品をマニアが厳選

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浮世絵こそ近年注目を浴びているものの、油彩画や日本画ほど木版画の作品は知られていないかもしれません。

浮世絵も素敵ですが、もっと多彩な作品たちが存在するのが木版画の世界です。

 

この記事では、木版画マニアの筆者が10人の作家による10作品をご紹介します。

同じ作家が被らないようにしたので10人の木版画家に出会える記事にもなっています。

これをきっかけに木版画にもっと興味を持っていただけとしたら、嬉しいことこの上ありません。

 

 

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傑作木版画10選

 

小原古邨 雨中の田鷸

トップバッターは近頃大人気の小原古邨

1点に絞るのが苦しすぎました!

だって全部好きなのですから。

 

苦渋の決断の結果はこちらです。

 

雨中の田鷸

 

この空気感。

しっとりと湿気をはらんだ空気が伝わってきますね。

背景のぼかしも繊細、雨の表現も豊か。

くっきりした羽の黄色が画面を彩りかつ引き締めています。

 

そしてこの顔!可愛くありませんか!?

 

くっ、天才だ……

 

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小原古邨 清らかで美しい木版画絵師を、作品と共にご紹介します

 

 

河鍋暁斎 地獄太夫

鬼才・河鍋暁斎の逸品です。

 

地獄太夫

 

賑やかにドクロたちが生き生きと画面で躍動していますね。

これだけモティーフが多いのに、まとまりのなさが全く出ないのが暁斎の見事なところ。

 

個人的には太夫の手の形が好きです。

あとは目とか。

碁を打っているドクロの表情も愉快ですね!

 

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河鍋暁斎 天才的画力と卓越したユーモアのセンスにあふれた奇想の画家

 

 

吉田博 櫻八題 弘前城

洋画家であり木版画家であり。

そんな吉田博からはこちらを選びました。

 

櫻八題 弘前城

 

肝は桜の表現ですね。

華やかさがあるものの儚さも感じさせてきます。

 

そしてセピアがかっていてノスタルジック。

 

絶妙。

 

吉田博はこんな作品も制作しています。

スフィンクス

 

 

色違いを上手に使いこなした人でもありますよ。

スフィンクス(夜)

 

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吉田博 山に溶け込み、絵画に身を捧げ、日本のみならず欧米でも活躍した気鋭の画家を紹介します

 

 

川瀬巴水 錦帯橋乃春宵

川瀬巴水も名作ばかりで悩ましい!

ですがひとまずこちらの作品をご紹介します。

 

錦帯橋乃春宵

 

この花は桜でしょうか。

先ほどの吉田博の桜よりも明るくて華やかな印象ですね。

 

さりげなく登場する人物がぬくもりを感じさせるのが巴水流。

ここでは舟をこぐ人物が描かれています。

 

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歌川国芳 讃岐院眷属をして……

浮世絵代表として歌川国芳のこちらの作品をご紹介します。

讃岐院眷属をして為朝をすくふ図

大判サイズの3枚でひとつの作品となっているので迫力満点!

浮世絵の傑作と言って間違いありません。

 

歌川国芳は猫の作品で有名かもしれないと勝手に思っていますが、こんな大迫力の作品も制作しています。

見ているとワクワクしてきますね!

 

恩地孝四郎 月映

恩地孝四郎は、木版で抽象画を制作した、美術史的には非常に重要な人物です。

そんな重要人物からはこちらの作品をご紹介しますね。

 

月映

 

月映は、恩地孝四郎ら木版画家が刊行した版画集です。

 

この緊張感。

ほぼモノクロの画面から伝わってくるのは、美しさ、鋭さ、新しさ……

 

木の板に凹凸をつけて絵の具を紙に転写する。

浮世絵と原理は同じでも、感性が異なるとここまで違う作品ができるのです。

そんな「当たり前」を突き付けてくれるこちらの作品は、何度も戻って見たくなるような傑作と言えるでしょう。

 

 

平塚運一 文楽人形八百屋お七

平塚運一は木版画の神様と呼ばれた版画家です。

彫師に師事して伝統木版画の技術を習得した上、小口木版画の技術をも学んだ、無敵の版画家・平塚運一。

2018年に企画展が開かれたので、ご存知の方も多いかもしれません。

 

神様の一作として、こちらをご紹介します。

 

文楽人形八百屋お七

 

平塚運一は多色作品も制作しています。

神様にとって何色もの版をつくる技術など難しくないはずなのですが、モノクロ作品を多数制作しているのですよね。

 

色数を増やせば、なんとなく「見栄え」がします。

一方、色による「ごまかし」がきかない白黒の世界は、正真正銘の感性の世界。

緊迫した感性の世界の勝負は迫力が凄まじいのです。

 

神様の本気をまた体感したいので、また企画展やらないかなあ、と待ち望んでいる次第です。

 

 

馬渕聖 初秋の卓

馬渕聖の作品の魅力は、どっしりと重厚な構図にあります。

セザンヌを思わせるような卓越した構成力は圧巻。

そんな馬渕聖からはこちらの作品をご紹介します。

 

初秋の卓

 

ね、構図がなんとも心地いいでしょう?

目が喜んでいます。眼福……

 

馬渕聖は埴輪の作品も制作しています。

土器と埴輪

にっこり笑顔が可愛くてたまりませんね!

 

竹久夢二 星合

泣く子も黙る竹久夢二からはこちら。

星合

もうね、ロマンティック!

胸がキュンとします。

星降る夜に美人がそっと、七夕飾りに提燈をかけようとしている。

これに惹かれないわけがありません。

 

眼差しも絶妙ですね。

切とした願い、でもきっと儚い願い。

妄想は膨らむばかりです。

 

夢二はもちろん作品そのものが魅力的なのですが、彫の技術も極めて高度なことも追記したいところです。

まるで筆で描いたような表現はそうそう彫れるものではありません。

さりげなく超絶技巧なのですよ。

 

★関連サイト★

港屋(竹久夢二専門画廊) https://yumeji-minatoya.co.jp/

 

牧野宗則 有明天界

最後は牧野宗則です。

作品はこちら。

 

有明天界

 

色合いが……絶、品。

うっすらと覆ってくる陰の向こうで輝く光の美しさ、恍惚と見とれること間違いなし。

 

よく見ると水面の表現も空模様もとても細かいのですが、そんなことはどうでもよくなるくらいの美しさにとっぷりと浸ってしまいます。

 

「牧野宗則は伝統木版画の職人に技術を教わっているのでその高い技術力で優れた作品を制作できて云々……」

 

ええい!どうでもいい!

見よ!この美しさを!!!

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まとめ 豊かな木版画の世界

 

いかがでしたか?

ひとことで木版画と言っても、多彩な作品があることがお伝えできたでしょうか。

 

木版画の世界はとても豊かなのです。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました♪

 

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日本の木版画史 誕生から浮世絵、新版画、創作版画へと発展した歴史

 

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