企画展

新北斎展レビュー 全人類におすすめしたい!感動と興奮の超絶空間

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東京六本木・森アーツセンターギャラリーで開催中の「新北斎展」に行ってきました。

右も左も前も後ろも北斎、北斎、北斎、北斎!

有名どころはもちろん、他では見られない超激レアものまで、ものすごい数が展示されていました。

大満足でございます。

 

この記事では新北斎展のレビューとして、見どころや混雑状況、開催概要などをご紹介しています。

北斎ファン、浮世絵ファン、いや、もはやAKBやジャニーズのファンだろうが、どうでもいいから全人類におすすめしたいくらい充実した展覧会でした。

ぜひぜひご覧くださいませ。

 

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開催趣旨

 

「新北斎展」は、北斎の研究者・収集家である永田生慈氏のコレクションを中心にした展示になっています。

 

北斎の幅広い画業と魅力あふれる作品たちをもっと広く知ってほしい

北斎研究の最前線を走った永田氏の思いが込められた企画展です。

 

90年の生涯のうち約70年間絵師として活躍した北斎について、最近発見された作品なども展示しながら最新の北斎像を組み立てています。

まさに「新」北斎展。

 

1807年
酔余美人図

 

ちなみに永田氏の北斎コレクションは2,000点以上。

残念ながら永田氏はこの企画展を目前にしながら亡くなってしまいましたが、コレクションは島根県立美術館に寄贈されます。

そのため、今後コレクションは島根県でしか見られなくなります

東京で見られるのはこれが最後、かもしれません。

 

 

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見どころ

 

北斎の幅広い画業

 

北斎は浮世絵木版画の絵師として有名ですね。

ですが、北斎の画業は浮世絵木版画だけではありません

とっても広いのです。

 

たとえば肉筆画、木版画ではなく筆で描かれた作品。

北斎の凄まじくハイレベルな筆づかいが直接見られます。

 

中には153×240cmの巨大な肉筆画もあり、北斎の迫力を充分に堪能できます。

 

1844-47
弘法大師修法図

 

また、摺物という木版画作品も展示されています。

普通の浮世絵木版画が商業用の商品だったのに対し、摺物は非売品

知人たちに個人的に配られた作品です。

 

商業品はどうしても利益を上げなければならないため、安く作って大量に売れる作品しかできません。

他方摺物は、売らなくてよいので自由に制作できます

贅沢に凝った作品がつくれるのですね。

 

 

浮世絵木版画の制作裏方を拝見

 

紙や絹、板などに描かれた「作品」はよく展示されますね。

ですが、北斎展では「作品」だけでなく制作のための道具も見られるのです。

 

たとえば神奈川沖浪裏。

 

1830-34年頃
富嶽三十六景 神奈川沖浪裏

 

順序摺りといわれる、摺りの工程が展示されています。

 

そしてなんと、版木まで!

生の版木ですよ!

まさか北斎作品の版木を見られる日が来ようとは……

もちろん復刻ではあろうと思いますが、感動です。

 

更にマニアックなところでは、版下絵校合摺の本物も!

おおお!と声をあげてしまいました。

 

版下絵、校合摺とは

版下絵とは、作品の設計図、とでもいいましょうか

絵師がデザインした作品案のことです

校合摺とは、色版用の版下絵のこと

 

浮世絵木版画では、版下絵を板に貼って彫ります。

 

輪郭線用の版木(主版)を彫る

主版が彫りあがったら色版の枚数だけ摺る

摺られた校合摺を色版の版木に貼って彫る

 

という工程で彫るのです。

 

版下絵や校合摺は版木に貼られて彫られてしまうので、基本的に消えてなくなってしまうものです

だから版下絵や校合摺を見られるのは超激レアなのです!

 

 

北斎の驚異的な画力

 

北斎の作品、とても面白いのですよね。

人物は生き生きとしていて表情豊か。

時には変顔やおふざけもします。

 

北斎漫画

 

波の表現も見逃せません。

リズミカルな波、ダイナミックな波、静かな波。

水の動きを的確に描いていて、作品の雰囲気を決定づけます。

 

そして美人図

現代の美人の条件と江戸時代の美人の条件は全然違うはずなのに、美しく感じられます。

どうしてでしょうね。

 

美人図では着物の質感や柄も注目ポイント。

江戸美人はおしゃれさんなのです。

 

1805年
円窓の美人図

 

 

彫師の超絶技巧

 

浮世絵木版画で最も彫るのが難しいとされているのが人間の頭髪の生え際です。

その細かさたるや、拡大鏡で見ないと分からないほど

まさに超絶技巧です。

 

こんなにも細い生え際は、現代ではもう彫れないでしょう。

彫専門の職人の数が減っていることも理由のひとつではありますが、版木にできる素材がないのが致命的な原因です。

 

浮世絵木版画で使う版木は山桜です。

山桜の板は何年もかけて熟成させると細かい彫ができるしっかりとした素材になります。

ですが今は、熟成させて良い版木をつくってくれる材木屋がいないのです。

 

浮世絵木版画は、明治の文明開化で流入してきた他の印刷技術に勝てませんでした。

材木屋たち関係者の商売は成り立たなくなって、次々に撤退してしまいました。

 

浮世絵木版画を支える土台は、現代ではもう風前の灯火。

だからこそ、こんな超絶技巧を見られる機会はとても貴重なのです。

 

ということで、美人を見たら生え際をチェック!

二度と復刻できない超絶技巧に息をのみましょう。

 

 

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展示構成

 

展示構成は、北斎の活動時期順に組み立てられています。

何度も名前を変えた北斎の、名前ごとに区切ってあります。

写真撮影可能な場所が1か所あるので、スマホやカメラはぜひ持っていきましょう

 

第1章 春朗期

第2章 宗理期

第3章 葛飾北斎期

第4章 戴斗期

第5章 為一期

第6章 画狂老人卍期

 

 

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所要時間

 

ふらりと見て、1時間半。

じっくり見て、2時間。

2時間半あればかなり満喫できます。

サクサクっと1時間で回ろうとするのはもったいないので、最低限1時間半は確保したいところです。

1847年
向日葵図

 

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混雑状況

 

会期の始めの平日に行ったため、あまり混んではいませんでした

ひとつひとつじっくり鑑賞できるくらいです。

 

でもきっと、会期末は混むでしょうね。

テレビで放送されたりしたらますます混んでしまうでしょう。

早めに行っておくのがおすすめです。

 

1833-34年
飛越の境つりはし

 

なお、会場の森アーツセンターギャラリーは火曜日以外は20時まで開いています

しかも、52階にあります。

夜はきらめく東京の夜景が一望できる絶景スポットに変身します。

日没ちょい前くらいに着くと、夕焼けと北斎と夜景を見られますね。

 

ちなみに、同じフロアにレストランがあって、そこからは東京タワーを間近にした夜景が見られます。

大切な人と北斎と夜景を楽しむのも素敵ではありませんか。

 

 

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充実の画集とグッズ

 

まずは画集。

サイズはA4より少し大きめで、厚さは約2.6cm。

手に取るとずっしり。

重い……

 

開くとそこにはズラズラズラー!と北斎の作品が載っています。

印刷も良質。

これは、買いですね。

お値段は2,800円。

このクオリティの本を普通に買ったらたぶん倍はするかと思うので、コスパは良いかと。

 

グッズも充実していて、ついついお買い物してしまいます。

定番の文房具、マグカップ、お菓子、Tシャツ……

なんでもあります。

 

私はグッズコーナーで30分を費やしてしまいました

お財布が寒くなりましたが、心はあったかホカホカです。

 

 

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計3回展示替え!?

 

特に日本美術の企画展は、たいてい前期・後期に分かれていますよね。

新北斎展は、どうやら3回展示替えをするようです。

 

前期A、前期B、後期A、後期B。

一体いくらお金を搾り取るつもりなのか。

財布が絶叫しそうですが、たぶん私は行くんだろうな……

 

前期A 1月17日~1月28日

前期B 1月30日~2月18日

後期A 2月21日~3月4日

後期B 3月6日~3月24日

 

 

開催概要

 

新北斎展(HOKUSAI UPDATED)

2019年1月17日~3月24日

 

森アーツセンターギャラリー

(六本木ヒルズ森タワー52階)

日比谷線六本木駅1C出口直結

大江戸線六本木駅3出口 徒歩4分

大江戸線麻布十番駅7出口 徒歩5分

南北線麻布十番駅4出口 徒歩8分

 

開館時間10~20時

(火曜日は17時まで)

休館日1月29日、2月19日、2月20日、3月5日

 

入館料 一般当日券1,600円

 

公式ホームページ https://hokusai2019.jp/

 

 

関連記事・関連書籍

 

浮世絵木版画についての知識があると、より深く楽しめます。

このサイトの他の記事で解説しているので、よろしければご覧ください。

 

美術館巡りに興味がある方はこちらの記事もおすすめです。

 

 

もっと北斎を知りたくなったら、こちらの書籍はいかがでしょう。

 

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たいていの場合、私はまずは安くて解説が易しい「もっと知りたい」シリーズをおすすめします。

 

 

ですが画狂老人・葛飾北斎の画業を知るのは「別冊太陽」レベルがふさわしいかと思います。

もちろん「もっと知りたい」も全然悪くはないのですが、図版の大きさや解説の充実度を比較すると、やっぱり別冊太陽の方に軍配が上がるので

 

 

まとめ ともかく見に行きましょう

 

行って損はしません。

 

以上、長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました♪

 

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