美術史知識

神坂雪佳 琳派図案家の、かわいくて面白い画業をご紹介します!

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神坂雪佳(1866~1944年)は琳派を受け継ぐ者のひとりです。

特に工芸向けの図案において独特の画風でたくさんの作品を生み出しました。

 

「琳派」という潮流は、17世紀頃に俵屋宗達や本阿弥光悦らによって始められました。

琳派は現代にまでも受け継がれ、絵画のみに限らず様々な場面で存在感を放っています。

 

今回はちょっとマイナーかもしれない作家、神坂雪佳についてご紹介いたします。

ゆるっと可愛らしい作品をぜひ味わってみてください。

 

※ そもそも琳派ってなに?という方はこちらで解説しているので、ご参考までにどうぞ。

琳派とは?代表的な絵師や作品、特徴、歴史などを図版と文で徹底解説

 

 

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代表作

 

まずは雪佳の代表作を5点ご紹介します。

作風を感じてみましょう。

 

百々世草

 

白鷲

 

燕子花図屏風(左隻)

 

雪中竹

 

蝶千種

 

シンプルで味わい深い作品が魅力的ですね。

ちなみに私は「雪中竹」が好きです。

 

では、作品を見ていただいたところで、雪佳について詳しく解説します。

 

 

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生涯概略

 

神坂雪佳は1866年、京都御所に仕える武家に生まれました。

 

今では雪佳は琳派の図案家として語られがちですが、当初は日本画家を目指していました

1881年、16歳になると、四条派の日本画家・鈴木瑞彦に教えを受けるようになります。

 

しかし、日本画家としての修業中、雪佳は工芸品に用いられる図案の面白さに気づきます。

もともと京都は伝統工芸が盛んであったため、雪佳は工芸品における図案の重要性を感じていたという下地がありました。

 

決定打となったのは外交官であった品川弥次郎がヨーロッパから帰国した時。

弥次郎は雪佳に対し、ヨーロッパで図案がいかに重視されているかを語ります。

雪佳は図案の重要性を確信しました

 

 

1888年、雪佳は23歳で、岸光景という工芸界の重要人物に師事することになります。

その際雪佳が研究したのが「琳派」でした。

装飾性の高いデザイン独特の技法は、雪佳にとって興味深いものでした。

 

四条派や琳派などの伝統に基づきながら、1942年、77歳で亡くなるまで、独特の作品を制作していきました。

 

 

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作品の特徴 図案家として

 

雪佳は図案家として、工芸品の図案を数多く制作しました

 

「精華」「ちく佐」「百々世草」といった図案集はその成果の結集です。

デフォルメ平面化装飾性を特徴とし、ある時は愛らしく、ある時はコミカルに、独自の作品を発表していきました。

 

面白い雪佳

 

1903年、雪佳は『滑稽図案』という図案集を発表します。

タイトルから分かるように、面白さを追求した作品集でした。

 

まず、表紙から面白い。

 

 

 

「図案」という文字が笑っている人間になっていますね

 

こちらは美人草。

花が人間の美人(?)で描かれています。

 

 

 

 

傑作図案集『百々世草』

 

『百々世草』雪佳の集大成ともいえる図案集です。

この中には鶴や燕子花など、琳派でおなじみの画題が選択されているものも多くありますが、どれも雪佳らしさが表現されています。

 

例えばこちら、八つ橋。

 

八つ橋

 

確かに画題が八つ橋であることは分かりますが、かなり大胆に平面化されていますね。

 

こちらは狗児。

 

 

かたつむりを見つめる白い犬と、こちらを見ている茶色い犬がなんとも愛らしく描かれています。

 

 

工芸に用いられた図案

 

この「菊花透し彫鉢」は、雪佳が図案を制作した作品です。

平面であった図案がこのようなかたちで立体作品に用いられていることが分かる例です。

 

 

 

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作品の特徴 絵師として

 

雪佳は図案を多く生み出しましたが、絵画制作も行っています。

 

例えばこちら。

十二ヶ月草花図(上段三月、下段四月)

 

12作セットになっており、画題の選択に琳派の影響は見られますが、大胆な平面化などはいかにも雪佳らしいですね。

 

こちらは金魚図。

金魚玉図

金魚がこちらを向いて、じっと見つめて着ています。

金魚の可愛さも特徴ですが、たらし込みの多用や下部の大きな余白の取り方も大胆で、琳派に通じるところがありますね。

 

 

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関連記事・書籍

 

冒頭でもご紹介しましたが、このサイトに琳派の全体像をご紹介した記事があります。

 

琳派とは?代表的な絵師や作品、特徴、歴史などを図版と文で徹底解説

 

神坂雪佳についての書籍はこちらがおすすめです。

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まとめ 図案化・絵師として愛らしい作品を制作した人物

 

いかがですか?

味わいのある作風がお伝えできたのでしたら嬉しい限りです。

 

以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました♪

 

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