企画展

ロマンティックロシア展はおすすめ!感想や混雑状況、見どころ情報

更新日:

 

東京渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「ロマンティックロシア展」に行ってきました。

 

展示はまさにロマンティック。

 

大きく広がる自然、透明感のある凛とした風景、そして幻想的に描かれた美女。

ロシアの魅力がぎゅっと詰まった企画展でした。

 

普段なかなかお目にかかれないロシア美術。

企画する側も、これを機にどうにかしてロシア美術に興味をもってほしい!と熱意をもって創意工夫してくれていた様子が感じられました。

 

北国ロシアらしいピンと張りつめた風景画もありますが、凛とした風景のなかにもどこか幻想的な要素を含んでいます。

作品を眺めているとふわりと心がときほぐれていき、甘美な陶酔に包まれる感覚が味わえました。

 

この記事は、ぜひ足を運んでいただきたいおすすめの企画展「ロマンティックロシア展」のレビューです。

熱くなって少々長くなってしまいましたが、どうかご容赦くださいませ。

 

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企画展概要

 

ロシアのモスクワにある「国立トレチャコフ美術館」から、72点もの作品が来日して展示されています。

主に19世紀後半から20世紀初頭の作品が集まっており、「ロマンティックロシア」の名にふさわしいロマンティックな作品がお目にかかれます。

 

ちなみに、ロマンティックの意味ですが、広辞苑には

 

ロマンチック

伝奇的。空想的。浪漫的。

雰囲気などの甘美なさま。

 

と書いてありました。

なるほど、確かに甘美で空想的でした。

 

展示構成

第1章 ロマンティックな風景

第2章 ロシアの人々

第3章 子供の世界

第4章 都市と生活

 

混雑度

平日の昼過ぎに行きましたが、混雑はしていませんでした

 

チケット購入も入館も待ち時間なし

目玉のイワン・クラムスコイ「忘れえぬ女」の前も人だかりはできておらず、どの作品もじっくりと堪能できるくらいでした。

 

所要時間

ゆっくり鑑賞して1時間とちょっとでした。

1時間半確保できれば充分でしょう。

 

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ここに注目!見どころはこれだ

 

広い空のある風景画

 

ロシアの自然はとにかく広い!

そして深い!

 

第1章で展示されている風景画は、広大なロシアの自然を伝えてくれます。

 

特に、山の多い国・日本とは対照的な、平らな地面が果てしなく続いていく風景は新鮮に感じられました。

 

そして、地面も広いのですが、空だって広い!

 

コンクリートジャングル東京で暮らしていると、空は建物のすきまから見える「余白」のようなものにしか見えません。

ですが、ロシアの空を見ると、空って広かったんだなあと思い出すことができました。

 

たとえばこちらの作品。

 

正午、モスクワ郊外
1869年
イワン・イワーノヴィチ・シーシキン

 

これだけ大きく空を描くなんてロシア的ですね。

眺めていると、もくもくしている雲に乗って、空をわたり歩けるような感覚になっていきます。

 

冬にあるドラマ

 

第1章「ロマンティックな風景」では、春夏秋冬の順に作品が展示されています。

 

特に見ごたえがあるのが

冬は木も地面も真っ白に染まります。

 

冬をテーマに展示された作品の中でも印象的だったのが「雪娘」でした。

 

雪娘
1899年
ヴィクトル・ミハイロヴィチ・ワスネヅォフ

 

雪娘は、ロシアに伝わる民話のひとつです。

 

物語はこどものいないおじいさんとおばあさんが、雪で女の子を作るところから始まります。

 

ふたりで雪を女の子の形にしながら名前を考えていると、突然「私の名前はカーチャよ」と雪の女の子がしゃべって動きはじめたのです。

 

おじいさんとおばあさんは喜んで、カーチャを家に連れて帰り、冬の間一緒に暮らしてカーチャを大切にします。

 

しかし、雪解けの春がくると、雪でできたカーチャはとけて消えていなくなってしまいました

 

ロシアの民話を題材にした作品を展示することで、ロマンティックなロシアを表現しているのですね。

 

二大美女「忘れえぬ女」と「月明りの夜」

忘れえぬ女

 

企画展で最も注目されているのが、イワン・クラムスコイによる「忘れえぬ女(わすれえぬひと)」「月明りの夜」

 

企画展のポスターでおなじみの「忘れえぬ女」は、美しかったのひとことです。

 

忘れえぬ女
1883年
イワン・ニコラエヴィチ・クラムスコイ

 

馬車に乗って、こちらを見下ろす女性。

 

一見挑発的で堂々としているような態度に感じられますが、よくよく見ると、表情にははかなさや悲しみが含まれていることに気づきます。

 

うっすらと目に涙をたたえながら、それでも優美な姿勢を崩さない。

高慢な態度に見えて、瞳にはもの哀しさがある。

 

このひとは誰なのか。

いったいどこへ行くのか。

なにを想ってこちらを見ているのか。

 

浮かんでくる疑問と美しさに引き込まれて、離れられなくなりました。

 

作品が発表されたときにも様々な憶測が飛び交ったのですが、作者クラムスコイは詳細を語りませんでした。

ただ、クラムスコイがこの作品を「見知らぬ女」と名付けたことだけが記録に残っているのです。

 

「月明かりの夜」

 

月明かりの夜
1880年
イワン・ニコラエヴィチ・クラムスコイ

 

暗い森の中で、白い衣服を身にまとって、ベンチに腰かける美しい女性。

 

巨大な画面に描かれた情景に惹きつけられて、動けなくなってしまいました。

 

作者クラムスコイは、なにか幻想的なもの、魔法のようなものを表現したかった、と語っています。

当初のタイトルも「魔法の夜」でした。

 

女性が身につけているのは、白いドレスと金のブレスレット、レースのスカーフ

森のように見える場面は、実は庭園の中

 

真っ暗な庭園で、じっと一点を見つめる女性。

 

どうしてあなたはここにいるの?

いったい何を考えているの?

 

不思議だけれども美しい情景に、想像は果てしなく膨らみました。

ロマンティックですね……。

 

二大美女を描いたイワン・クラムスコイとは?

 

イワン・クラムスコイは、19世紀後半に活躍した画家でした。

 

はじめはサンクトペテルブルクの美術アカデミーで学んだものの、硬直的な学風に抵抗して中退してしまいます。

 

退学したクラムスコイと仲間たちは「移動展覧会協会」を結成し、自然や民衆の生活を自由に描くようになります。

「移動」の名の通り、移動展覧会協会はロシア各地で巡回展を開き広く市民に絵画に対して興味を持たせる試みを行いました。

 

 

また、クラムスコイは、常に芸術、人間について深く考察し、絵画によって表現しようと挑戦し続けました。

 

たとえば、忘れえぬ女。

この女性をみつめていると、問いが湧き上がってきます。

 

あなたはだれ?

なにを想っているの?

これからどこへ行くの?

 

ですが、鑑賞する側が絵の中の人物に投げかける問いは、そのままこちらに返ってくるのです。

 

あなたはだれ?

なにを考えているの?

どう生きるの?

 

クラムスコイの作品は、鑑賞する人への問いかけでもあるのです。

 

図録は絶対に買い

 

企画展の図録は一般的にコスパがよいのですが、ロマンティックロシア展の図録は極めて秀逸です。

 

会場内のキャプションは充実していて、全ての作品に200字ほどの解説がなされています。

ですが、図録には更に詳しい解説が掲載されているのです。

 

正直、ロシア美術に触れる機会はあまりなく、知っている画家の名前も数えるほど。

おそらく美術館側もそれを分かっていて、これを機会にもっとロシア美術に興味をもってほしいと工夫を凝らしたのでしょう。

ロシア人画家の略歴が52人分載っているのもその意図のあらわれですね。

 

魅力的なロシア美術を知るスタートになれるよう、考え抜いてつくられている図録だと感じました。

 

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開催概要

 

以上、ロマンティックロシア展のみどころなどをご紹介しましたが、興味をもっていただけたでしょうか。

 

最後に企画展の開催概要を書いておきます。

金曜日と土曜日は夜遅くまで開いているので、ぜひぜひ足を運んでみてください♪

 

Bunkamura 30周年記念 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティックロシア展

会期

2018年11月23日~2019年1月27日

会場

東京渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアム

アクセス

JR渋谷駅ハチ公口より徒歩7分

銀座線・京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分

東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線渋谷駅より徒歩5分

開館時間

10:00~18:00

(金・土曜日は21:00まで)

休館日

12月18日(火)、1月1日(火曜日)

入館料 一般当日券 1,500円

公式ホームーページ

Bunkamura ザ・ミュージアム http://www.bunkamura.co.jp/museum/

ロマンティックロシア展 http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_russia/

 

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