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ラファエル前派 19世紀末の英国で活動した、真実の姿を追求した画家たち

更新日:

 

ラファエル前派とは、1848年にイギリスで結成されたグループのひとつです。

自然をじっくりと観察し、美しい絵画を描く。

そう誓い合ったグループは、紆余曲折の末、発生から約50年で解散に至りました。

この記事では、ラファエル前派について、概要や代表作など全体像をつかめるようにご紹介します。

 

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代表作の紹介

まずはラファエル前派の代表作をご覧ください。
ギャラリー形式になっているので、気になった図版はクリックして拡大できます。

 

 

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ラファエル前派の精神

4カ条の精神

ラファエル前派のメンバーは、ある独特の精神を共通の目標に掲げていました。

1.独創的なアイデアを持つこと。
2.表現のために自然を注意深く観察すること。
3.過去の芸術の、真剣で、率直で、誠実なものを好み、反対に古い慣習、自己欺瞞、型にはまったものを拒絶すること(略)。
4.最も重要なのは、絵でも彫刻でも絶対に美しいものを制作すること
(創元社 ラファエル前派―ヴィクトリア時代の幻視者たちより引用)

 

象徴主義のさきがけ

ラファエル前派の画家たちは、4カ条の精神により、目に見えるものを忠実にカンバスに表現しようとしました

更に、目に見えない精神的なこと、幻想的なことも描こうと試みました。

これは、象徴主義とよばれる新しい芸術のかたちの始まりとなっています。

象徴主義とは、思想や感情、夢のような世界といった目に見えないものを、絵画という目に見える形に表現しようとした試みのこと。
モティーフは具体的なモノの形をしていますが、その奥に、目に見えないものを表現していました。

 

 

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結成から解散の歴史

 

結成の背景

 

ラファエル前派が結成されたころのイギリスでは、ロイヤル・アカデミーという王立美術学校が力を持っていました。
ロイヤル・アカデミーでは、高い技術をもった画家の作品が優れているとされていました。

高い技術による、規範に縛られた硬直的な作品に対し、ラファエル前派の画家たちは強く反発しました。

ラファエル前派の結成

硬直した画壇を打ち破るべく、1848年に結成されたラファエル前派。

初期のメンバーは

ジョン・エヴァレット・ミレー(1829~1896年)
ウィリアム・ホルマン・ハント(1827~1896年)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828~1882年)

に加え、

トマス・ウールナー
ジェイムズ・コリンスン
ウィリアム・マイケル・ロセティ
フレデリック・ジョージ・スティーヴンズ

の計7人でした。

彼らは作品の中にPRB(Pre-Raphaelite Brotherhood)という暗号めいた文字を残し、世間の関心を集めました。

 

第1世代の活動

ミレー、ハント、ロセッティを中心とした世代は「第1世代」呼ばれます。

1848年の結成の後、1849年には第1回目の公式展を開催しました。
評価は悪くなく、そこそこ穏便にスタートを切りました。

1850年には機関紙「芽生え」を発刊します。

順調に始まって難なく成功を収める……かと思いきや、1850年、ロセッティとミレーの発表した作品は散々に酷評されました

ロセッティの「エクシ・アンシラ・ドミニ」(受胎告知の意味)では、聖母マリアの衣服が青でなく白だった(聖母マリアの衣服は青!と決まっていたのです)こと、マリアの戸惑うような表情が批評されます。

 

1849~50年
ロセッティ
エクシ・アンシラ・ドミニ

 

ミレーの「両親の家のキリスト」は、醜い部分をもリアルに再現しすぎており、聖なる存在にふさわしくないと酷評されました。

 

1849~50年
ミレー
両親の家のキリスト

この結果、ラファエロ前派の画家たちは、宗教画から文学へ画題を移すこととなります。

 

第2世代の活躍

1870年代頃からはじまった第2世代では

エドワード・バーン・ジョーンズ(1833~1898年)
ウィリアム・モリス(1834~1896年)

が欠かせない存在になります。

バーン・ジョーンズが絵画を中心に制作したのに対し、モリスは家具などのインテリアのような装飾の分野で活躍しています。

 

 

ウィリアム・モリス

更に、オーブリー・ビアズリー(1872~1989年)の存在も見逃せません。

本の挿絵を多く制作したビアズリーは、過激な内容で批判の的にされましたが、その才能は確かなものでした

 

ビアズリー

 

ラファエル前派の衰退と後年の評価

批判と称賛にさらされたラファエル前派ですが、徐々に衰退していきました

メンバーそれぞれの画風の推移も原因にはありましたが、死という物理的な側面もありました。

1882年にロセッティが亡くなり、1898年にはバーン・ジョーンズも逝去。
主要なメンバーがこの世を去ったのです。

20世紀になると、ラファエル前派に対するまなざしは批判的になっていました。
しかし1960年代に再評価の流れが起こり、現在に至っています。

 

 

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2019年3月14日からラファエル前派の軌跡展が開催

東京丸の内・三菱一号館美術館にて、ラファエル前派の軌跡展が開催予定です。

ロセッティやミレー、モリスらの作品がまとめて来日する絶好の機会。
お見逃しなく!

 

 

公式ホームページ https://mimt.jp/ppr/

 

 

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まとめ ラファエル前派は英国画壇に衝撃をもたらした

ラファエロ前派の画家たちは、当時の常識的な絵画とは異なるスタイルで芸術作品を制作しました。

批判されながらも新しい絵画の姿を提示し、のちのちまでつながる表現形式をつくったのでした

 

 

以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました♪

 

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