木版画

川瀬巴水 旅情詩人と呼ばれた木版画絵師は、とても情緒的な作品を描いた人でした

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川瀬巴水(1883~1957年)は日本各地を旅し、風景を木版画にして描きました。

 

「旅情詩人」と呼ばれる巴水の作風はとても情緒的

色合いもとても美しく、私がとても好きな絵師のひとりです。

 

この記事では川瀬巴水について、作品もご紹介しながらご紹介していきます。

 

 

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代表作の紹介

 

はじめに巴水の代表作を8点ご紹介します。

まずは作品から印象を掴んでみましょう。

 

1925年
芝増上寺

1930年
馬込の月

1932年
亀戸の藤

1947年
錦帯橋乃春宵

1918年
塩原おかね路

1950年
中村芝翫 雪姫

1932年
The Miyajima Shrine in Snow
(鉄道省国際観光局宣伝ポスター)

1950年
塩原乃秋(天狗岩乃下)

 

いかがでしょう。

とても情感豊かな作風が特徴的ですね。

 

さりげなく人物が登場する風景画も多く、これが情感に訴えるポイントと言えるでしょう。

 

 

画業の概略

 

日本画家を目指して

 

1883年、川瀬巴水は、現在の東京・新橋で生まれました。

 

子供のころから絵を見るのが好きで、6歳の頃には役者絵などを好んでよく見ていました。

画家を志すのは、自然な流れだったのです。

 

巴水はまず、油絵を学びます。

しかし、油絵は色の組み方など学ぶところも多かったものの、やがで日本画を目指すようになります。

 

1910年、巴水が27歳の時、日本画界の巨匠鏑木清方のところに入門します

清方の下で日本画を懸命に学び、「巴水」の名を清方から受けるまで成長しました。

 

 

新版画との出会い

 

1918年、巴水は木版画家としての一歩を踏み出します。

 

きっかけは、美人画で有名な木版画絵師・伊藤深水の木版画を見たことでした。

木版画の味わいに魅力を感じた巴水は、自らも木版画の図案を制作してみることにしたのです。

 

初出版の際の版元は、新版画運動の中心的人物であった渡邊庄三郎の店である渡辺版画店

 

版元とは、プロデューサーのような役割の組織です

版元と、下絵をつくりだす絵師、そして版木を彫って紙に摺る彫師摺師が力を合わせて1つの作品をつくるのが日本の伝統的な木版画の制作スタイルでした

 

新版画運動とは、浮世絵の再興を目指した運動です

江戸時代に流行した浮世絵も、明治の文明開化で他の印刷技術が流れ込んだ影響で、巴水の頃には絶滅しかけていました

詳しくは下記記事で解説しています

 

 

 

巴水はまず、3点の風景画を世に出します

 

下の作品は、3点のうちの1点の『塩原おかね路』です。

 

1918年
塩原おかね路

 

味わい深い巴水の作風が分かりますね。

試作として売り出された3点はどれも大変好評でした。

 

人から良い評価をもらえれば嬉しくなります。

版元の渡邊庄三郎も、巴水の力を認めて信頼を置くようになってきます。

 

こうして巴水は風景画を主軸に、新版画の絵師として制作に注力していくことになったのです。

 

 

「旅情詩人」としての活躍

 

巴水は風景画を得意としていました。

 

特に月夜や雪景色、寺社、満開の花といったモチーフを多く描きます。

鑑賞者の心をほぐすような、情感あふれる魅力的な作風はたちまち人気になりました。

 

1925年
芝増上寺

 

巴水は、活動拠点の東京だけでなく、日本全国を旅してはその風景を描き留め作品にします。

最も長い写生旅行は、1923年10月22日から翌年2月2日までの102日間だったとされています。

大旅行ですね!

 

1950年
塩原乃秋(天狗岩乃下)

 

1923年には関東大震災が起こり、資料や作品の多くが失われてしまいましたが、挫けることなく一層制作活動に励みました。

 

欧米で人気を博す

 

巴水の作品は日本でのみ受容されたわけではありません。

アメリカ合衆国で催された版画展に出展したり、政府からの依頼で日本の観光PRポスターを作成したりと、欧米においても人気を博します

 

アメリカではカレンダーも売り出されました。

 

新版画運動では欧米への輸出が重視されていましたが、巴水は風景画担当の稼ぎ頭だったのです。

 

1932年
The Miyajima Shrine in Snow
(鉄道省国際観光局宣伝ポスター)

 

 

日本の風景以外のモチーフ

 

巴水と言えば日本各地の風景画

ですが、もちろんそればかり描いていたわけではありません。

 

1939年には朝鮮を旅し、朝鮮の風景を描いた作品を制作しています。

他には役者絵などもモチーフに採用しています。

 

1950年
中村芝翫 雪姫

 

 

おすすめの画集

 

ここでご紹介した作品は、川瀬巴水のごくごく一部にすぎません。

もし興味がわいたのでしたら、画集の購入をおすすめします。

 

巴水の画集はこの2点が良質です。

 

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私は上の『作品集』を持っていますが、図版が大きく載っていてとても満足しています。

ただ、もっと予算があれば下の『木版画集』がほしかったなあ、とも思ってもいます。

 

これから巴水の画集を購入される方は、もし予算が許すなら、思い切って『木版画集』を選んでもよいかもしれません

ちょっとした後悔がなく、心から楽しめると思います。

 

 

まとめ 川瀬巴水は各地を旅し、情感あふれる風景を数多く描いた絵師でした

 

川瀬巴水は日本各地を旅した絵師でした。

情感あふれる風景画は、今現在の私たちの心にも伝わってきますね。

 

 

以上、最後までご覧いただきありがとうございました♪

 

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