作家

伊藤若冲 近年大人気の画家について、図版も入れて解説します

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近年とても人気が出てきた伊藤若冲。

 

2016年に東京都美術館で開かれた生誕300年記念では、代表作である「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が全点公開され、話題になりましたね。

私も行きましたが、凄まじさに圧倒され、あまりの衝撃にクラクラしながら展覧会を後にした記憶があります。

 

2019年2月9日には、同じく東京都美術館で「奇想の系譜展」(https://kisou2019.jp/)が開催され、曽我蕭白とともに大きく取り上げられるようです。

まだ少し先ではありますが、とても楽しみですね。

 

さて、今では美術ファンなら誰もが知っている若冲の作品群ですが、若冲はどのような人物だったのでしょうか。

 

見ていると目がチカチカしてくるほどの細密描写、装飾的な華やかさ、動植物の生命力が躍動する作品群の生みの親、伊藤若冲についてご紹介します。

 

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若冲の生涯概略

伊藤若冲は1716年に、京都で生まれました。

 

実家は京都市中の錦小路の青物問屋、つまり野菜を扱う問屋さんでした。

 

若冲は長男であったため、1738年、23歳の時に父の逝去をきっかけに家業を継ぎます。

それから1755年に40歳で隠居するまでの期間は、絵画制作はあくまでも趣味として好んでいただけでした。

 

画業に専念できるようになったのが40歳で、それまで青物問屋の当主をしていた若冲。

描画が若冲の生活の中で脇役から主役になった直後の喜びはいかほどだったでしょう。

絹本彩色のみならず、水墨画、屏風絵、更には版画まで手がけ1800年、85歳でこの世を去るまで、家業を思う存分楽しんでいたようです。

 

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狩野派や中国画に学ぶ初期

若冲はその独特の画風から「奇想の画家」としばしば呼ばれますが、その技術や図様は狩野派や中国画などの伝統的絵画に由来します。

 

狩野派といえば正統派中の正統派。

手本を徹底的に模写して技法を身に着ける修行が最重要とされていた流派ですが、若冲は狩野派の師匠に学びます。

師匠の名は諸説ありますが、そこで若冲の画業における土台をしっかりと固めることができました。

 

また、狩野派の技法を会得したのちには中国画も模写して学んでいます。

若冲による作品の基礎は、これら伝統的な画法の習得にあったのです。

 

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若冲の諸作品

若冲の作品も紹介しますね。

 

「釈迦三尊像」「動植綵絵」

まずは有名な「釈迦三尊像」と「動植綵絵」。

1770年、若冲が50歳の時、京都の相国寺に納められ、年に一度の法要の際には正面に釈迦三尊像3幅、左右に動植綵絵をそれぞれ15幅ずつ掲げられ、荘厳な空間を演出したとされています。

釈迦三尊像

215.0×110.8cm 相国寺蔵

 

動植綵絵

141.8×79.7cm 老松白鳳図

宮内庁三の丸尚蔵館蔵

 

これら33点は、素晴らしいことに今なお33幅全てが現存しています。

なお、動植綵絵については明治維新後に皇室に献納されています。

 

水墨画

1776年、若冲は61歳の頃、京都石峰寺の山中に大規模な石像群を制作するという一大プロジェクトに取り掛かります。

若冲デザインの下絵をもとに、職人が一体ずつ自然石を彫り、お釈迦様の生涯や五百羅漢を表す像を制作するのですから、制作費は膨大になものでした。

 

制作費を賄うため、若冲は水墨画を大量に描き売ります。

動植綵絵のような濃密な細密描写ではなく、時にユーモラスに略筆で描いた作品は、銀6匁で売られ、石峰寺の石造群の制作資金となりました。

虻に双鶏図

37.3×53.3cm 細見美術館蔵

雨龍図

130.5×53.0cm 個人蔵

拓版画と合羽摺

拓版画とは、正面摺の一種です。

図案の描かれている「版下」を版木に張り付け、墨を乗せたくない部分を彫ります。

そして彫った版木に湿らせた紙を貼り付け、彫った溝に紙が入り込むように押し付けてから、彫っていない部分に刷毛などで墨を乗せて着色します。

玄圃瑤華(部分)

個人像

 

合羽摺りも版画も技法のひとつで、ステンシルをイメージすると分かりやすいでしょう。

着色したい部分を切り取った型紙を用いて、切り抜いた部分に刷毛で色を乗せて制作します。

合羽摺りにおいては墨だけでなく、彩色も施されました。

花鳥版画

25.2×34.5cm 平木浮世絵財団蔵

 

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絵を描く喜び

若冲は絵を描くことが好きで好きで仕方がなかったようです。

特に生き物をよく描きました。

その辺りを飛んでいる虫や鳥、咲いている花や草木をじっと見つめては、楽しみながら描いていたといいます。

 

鶏を数十羽、雀も数十羽、手に入れては庭に放し、写生していたという逸話は有名ですね。

 

時には空想上の、あるいは異国の生き物をもモチーフにし、時にユーモアを交えながら楽しんで描いていた若冲。

生き生きとした命の躍動感が作品から伝わるのは、描いていた本人が喜びをかみしめながら描いたからと言えるでしょう。

 

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おすすめの若冲関連書籍

伊藤若冲は人気があるので、たくさんの書籍が出版されていますが、私のおすすめはこちら「別冊太陽 若冲百図」です。


釈迦三尊像と動植綵絵の計33点を含む、なんと100点もの作品がカラーで掲載されています。

特に動植綵絵は、1作品につき1ページ使用し、図版も解説もとても充実しています。

本のサイズはだいたいA4くらいです。

ここには書ききれない若冲がたくさん掲載されているので、もっと知りたい!という方にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。

 

 

以上、伊藤若冲について紹介してみました。

この記事を書いているうちに、来年2月の展覧会が待ち遠しくなってきましたよ!

首を長くして待っています。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました♪

 

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