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琳派とは?代表作や特徴などを、図版たっぷりでご紹介します

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ある程度日本画を見て回っていると「琳派」という言葉をどこかで聞くことになるでしょう。

 

琳派は、「派」の字が付いている通り、日本美術におけるひとつの流派です。

 

琳派は日本美術史の中では特殊な位置づけであるものの、決して欠かすことのできない非常に大きな存在感のある一大流派です。

この記事では、美術史上とても重要な琳派をご紹介します。

洗練からヘタウマまで、面白い作品たちに出会えるはずです!

 

 

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代表作

 

まずは「琳派の代表作は?」という疑問を解消してしまいましょう。

ご紹介したい作品はたくさんあるのですが、ここでは7点に絞ります。

 

俵屋宗達
雲龍図屏風

俵屋宗達
風人雷神図

尾形光琳
紅白梅図屏風

酒井抱一
秋草鶉図屏風

鈴木其一
群鶴図屏風

中村芳中
光琳画譜 子犬

神坂雪佳
雪中竹

 

琳派の画風がだいだいお伝えできたでしょうか。

では詳細に入りましょう。

 

 

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継承の流れ

 

琳派のはじまりから確立までの歴史をざっくりとご説明します。

 

琳派の始まりは17世紀頃

俵屋宗達(たわらや そうたつ)という画家が京都にて始めたとされています。

 

意外と新しいのですね。

 

俵屋宗達
風人雷神図

 

はじまりから約100年が経った18世紀頃、現れたのが尾形光琳(おがた こうりん)

光琳は宗達の画風に影響を受けた優れた作品を制作し、試行錯誤の末に「琳派」という一大流派を確立させます。

 

尾形光琳
紅白梅図屏風

 

その後は、酒井抱一(さかい ほういつ)鈴木其一(すずき きいつ)神坂雪佳(かみさか せっか)らにより受け継がれ、琳派は現代まで続いていきます。

 

 

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琳派を表す3つの要素

 

琳派にはどのような特徴があるのでしょうか。

3つの要素でご説明します。

 

私淑による発展

先ほど、琳派は特殊な位置づけにあると言いましたが、そのひとつの要素が「私淑」です

 

私淑(ししゅく)とは、師匠から直接教わるのではなく、作品などを手本にして敬意をもって間接的に学ぶことを意味します。

つまり、尾形光琳は俵屋宗達から直接教えを受けたわけではなく残された作品をもとに自分で学んでいた、ということです。

 

この私淑という継承の仕方は極めて特殊でした。

 

神坂雪佳
八つ橋

 

たとえば、狩野派を例にして比べてみましょう。

狩野派は日本画における一大流派ですが、狩野派においては長男が先代から直接指導を受けて学び、血脈によって流派を継承していく形をとっています。

 

狩野永徳
唐獅子図屏風

 

対する琳派。

直接先代に教えを受けることは必須の条件ではありませんでした。

そもそも「先代」というものが存在するようなしないような、曖昧な状態なのです。

 

例えば酒井抱一と尾形光琳の関連性を見てみましょう。

 

抱一は光琳から非常に大きな影響を受けました。

風人雷神図屏風という、光琳の描いたのと同じ画題、似たような構成の作品が残っているくらいです。

 

酒井抱一
風人雷神図屏風

 

ですが、抱一は直接光琳から教えを受けてはいません

そもそも抱一が生まれた時には光琳は既に亡くなっています。

教えを受けようにも受けられません。

 

光琳が、宗達の作品いいな、と思って影響を受ける。

抱一が、光琳の作品いいな、と思って影響を受ける。

 

そんな継承の仕方をするのが琳派なのです。

 

酒井抱一
十二ヶ月花鳥図(9月)

 

画家の独自性

琳派は私淑によって受け継がれる。

では、私淑によって何が起こるでしょうか。

 

それは「個性の発揮」です。

 

鈴木其一
朝顔図屏風

 

また狩野派を例にします。

狩野派の絵師にとってまずマスターしなければいけないのは、代々受け継がれてきた狩野派的画風で描く技術です。

徹底的に模写をして修行を重ね、先人達と同様な筆法で同じような題材を描くことが求められるのです。

 

お手本と全く同じ絵を描けるようになりましょうね

これが狩野派であり、日本の大抵の流派も同様でした。

 

 

対して琳派には、特定の画風で描くよう強要してくる師匠が存在しません

お手本はあって、その要素を汲むことはできますが、こうでなくてはいけない!という強制力がありません。

だから自分が描きたいように自由に個性を発揮して作品を制作できるのです。

 

こうして、画家独特の個性的な作品が次々と生み出されるようになりました。

神坂雪佳 金魚玉図

 

装飾的でありデザイン的な画風

琳派の画風を表現する際には必ず「装飾性」という言葉が出てきます。

また、「デザイン的である」ともよく表現されます。

 

どういうことでしょうか。

 

装飾的とは

デフォルメを厭わずに、目に見える実物にとらわれず、美しさを表現しようとした

これが装飾性の意味です。

 

たとえば鶴で、また狩野派と比べてみましょう。

 

狩野派の鶴はこちらです。

狩野安信
松竹に群鶴図屏風(左隻部分)

 

対して琳派の鶴はこちら。

鈴木其一
群鶴図屏風

 

琳派の方も確かに鶴ではありますが、見たままの鶴を描くというよりは絵画として見て楽しめるかという点に比重がかけられていますね。

これが装飾性です。

 

 

デザイン的である

琳派の絵は、掛け軸や屏風ばかりに描かれていたわけではありませんでした。

絵皿、扇、硯箱、着物など、実際に使ったかはともかくとして、実用品にも描かれていました

 

尾形光琳
八橋蒔絵螺鈿硯箱

 

実用品に描かれる絵は、その品物の機能を考慮したデザインでなければなりません。

美しく、かつ使用感を損なわないような表現を考える必要があったのです。

 

 

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まとめ 日本画史では異端だったけれど、面白い作品の多い一派

 

日本画史では、他の流派とだいぶ違う特徴をそなえていたのが琳派です。

伝統や慣習にとらわれすぎず、先人たちを尊敬しながらも独自の作品を追求した作品たちは、現代でもとても魅力的に感じられるのではないでしょうか。

 

以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました♪

 

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